研修医室に引きこもり

整形外科専攻医になりましたが研修医室に引きこもっています

ハイポアルコール の成分は

手術とか皮膚切開を加える前にイソジン消毒をすると思います。手術後にハイポアルコール を使って脱色をしていると思いますがこれの原理を知ったので共有します。

 

ハイポアルコール 、そもそもこれはカルキ抜きです。成分でいうとチオ硫酸ナトリウム5水和物です。Na2S2O3・5H2O

水道水のカルキとはつまり塩素、Cl2ののことです。

イソジンのヨードとはつまりヨウ素、I2のことです。

同じハロゲンなので同じような反応を起こすと考えてください。

 

塩素は水中で水とこのように反応します、

Cl2 + H2O → HClO + HCl 

 

HClOがハイポと反応するとこうなります

Na2S2O3・5H2O + 4HClO → 2NaCl + 2H2SO4 + 2HCl + 4H2O

 

少量の塩酸が発生しますがごく少量なので問題ありません。

これがハイポが水道水の塩素を抜いたときの化学反応式です。

 

おなじようなことがイソジン、ポビドンヨードでもおこります。

化学式はこちら

1-ビニル-2-ピロリドンの重合物(ポリビニルピロリドン)とヨウ素の複合体なので

(C6H9NO)n·nI

ヨウ素はたくさんくっついているのでnで表します。

 

大まかな反応としては先ほどと同じですがヨウ素は水にほとんど溶けません。

H2O+I2→HIO+HI にはなりません。

水中でI3-になることはできるので途中は難しい式になるようですが最終的には

I2+2Na2S2O3・5H2O → 2NaI + Na2S4O6+5H2O

 

となります。

どちらも化学反応で理解できる現症でした。 

高校の化学はこういう場面で役に立ちます。

 

当然ながら、ハイポアルコールで拭くとイソジンの消毒作用はなくなります。

イソジンは60-90秒ほどつけておかないと意味がないので注意しましょう。

ちなみに乾かすというのは意味がありません。乾くくらい時間をおいてから、という意味で乾かせと言われ始めたようで、上の先生にも乾かせばいいのだからドライヤーを外来に常備している先生がいます・・・・意味がありません。

 

また皮膚に脂肪分があると消毒効果は減弱します。ですので必ずアルコール綿などで脱脂をしてからイソジンを使うのが正しいです。

 

正しい消毒で医原性感染を起こさないようにしましょう!