研修医室に引きこもり

研修医や看護師に役立つことを書いていきます

扁桃炎に要注意:伝染性単核球症との鑑別

【症例】17歳 男性

【主訴】発熱 咽頭痛

【現病歴】昨日より発熱、咽頭痛あり来院。下痢嘔吐なし、咳痰鼻水もなし。

【既往歴】なし

【内服薬】なし

 

【バイタルサイン】

体温38.7度 血圧122/77 心拍86 SpO2 98 room air

 

【身体所見】

扁桃肥大2度 白苔あり

両頸部リンパ節腫脹1cm 圧痛あり

肺音:清

腹部平坦軟圧痛なし 腸蠕動音normal

 

【検査所見】

溶連菌迅速検査 陽性

 

さぁここであなたは何を処方するでしょうか。

普通であれば、若年であるが溶連菌陽性がでており伝染性単核球症の可能性はないとしてペニシリン系の抗生剤を処方するところです。

 

ところがこの症例ではそれは間違いとなりました。

希望もあり採血してみると、リンパ球優位の白血球上昇、AST,ALTの上昇あり、CRPは0.23 と伝染性単核球症を疑う所見でした(時間外でしたので異型リンパ球がどれくらいあったかはでませんでした)

エコーで脾臓をみてみるとやはり脾腫がありましたので、伝染性単核球症と診断にいたりました。(のちの検査でEBウイルス検出、異型リンパ球もありました)

ただの扁桃炎でも伝染性単核球症でも扁桃の腫大と白苔付着はあるのです

 

伝染性単核球症ではペニシリン系の抗生剤を使うと高率で皮疹がでることが知られています。

 

結局、この症例では溶連菌はそこにいただけで感染は引き起こしていなかったようで、補液のみで自然軽快となりました。

 

このような症例を経験すると、若年の扁桃炎には全例血液検査が必要なのかなと思ってしまいます。

 

 

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