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研修医室に引きこもり

研修医や看護師に役立つことを書いていきます

救急外来でよくみる症例① 急性胃腸炎 感染性胃腸炎

救急外来とは、「救急」と名の付いている通り本来ならば緊急性のある人のみが受診するべきですがそうでない人がかなり受診しています。

 

例えば2次救急病院(*1)の当院の場合、内科系救急は17時から翌朝9時までで20数人が来院します。そのうち朝まで待たないで病院にきて治療する必要がある人はせいぜい5人くらい。

 

救急医療の適正使用を!と病院は叫びますが一般の方が医学について、病気について、知らなさすぎるのが原因と考えます。

このコーナーはそんな病気、患者さんについて紹介していきます。

 

 

1回目は
「急性胃腸炎」「感染性胃腸炎」について

いわゆる「食あたり」「食中毒」「胃腸風邪」にあたる疾患です。

 

嘔吐と下痢が止まらない、ということで受診されることが多いですが

「病院に来ても治すことはできない」病気であることを知ってもらいたいです。

 

ノロウイルス、ロタウイルス、腸管病原性大腸菌、サルモネラ菌などなど原因となるものはいろいろありますが基本的な治療は「原因となったものを出しきる」ことです。

(なまものを食べたか、海外に行ったかなどを聞き出しますが原因が特定できることは少ないです。検査で陽性とでても特効薬はありませんので検査する意義に乏しいです。)


ですので救急外来に来てもらってもできることは整腸剤、吐き気止めの薬を出すくらいです。

下痢を止める薬は原因となったものを腸管内に留めることになり逆効果です。吐き気止めも逆効果です。

仕事で発表があるなどどうしてもな理由がある場合は処方します。

 

点滴は脱水に対して行うので口から水分摂取が不可能で脱水状態の人にしか行いません。

「点滴してくれ〜」と言う患者さんは多くいますが口から飲めるのであれば口から飲んだほうが腸管を洗い流す意味でもいいと考えます。胃腸炎が治る点滴はありません。

 

基本的な対処としてはポカリスエットなどをたくさん飲んで(1日1L-2L)脱水にならないように注意しながら原因となったものを腸から出しきるということになります。

 

抗生物質も基本的には不要です。変に腸内細菌を荒らすのでよけい下痢になったりします。(重度の細菌性胃腸炎であれば必要なときもあります)

 

処方例

整腸剤として・ミヤBM ビオフェルミン ラックビー

吐き気止めとして・ナウゼリン(ドンペリドン)、テルペラン(メトクロプラミド)

下痢止めとして・ブスコパン アドソルビン コロネル ロペミンなど

 

などを処方しますが別になくても治ります。

 


病院に来ないと行けない人は
・飲んでもはいてしまい水分摂取が全くできていない人。ぐったりしている人(子供に多い)

→点滴します。


・血便が出た人

→腸管出血性大腸菌などが考えられます。集団感染していることが多いので保健所などに連絡しないといけません(医師が)

でも救急に来られても検査はできないので一旦帰宅し平日日中に来てもらうことになります。治すのも基本的には出し切ることがメインなのでやることはあまりありません。たくさん水を飲みましょう。

 

 

 

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*1
救急指定病院は1次2次3次の3つにわかれています。

1次
入院や手術が不要な「指を切った」「かぜを引いた」くらいの主に救急車を利用せず病院へ自ら来院する人たちを対象にした医療
休日夜間医療センターとかよるにやっている開業医がこれにあたります

 

2次
入院や手術が必要な医療、例えば急性虫垂炎など、いくつかの病院が当番日を決めてやっていたりします
歩いて病院まで来る人もいれば救急車で来る人もいます(が救急車が不要であることがほとんど)

 

3次
2次機関で対応できない重症疾患(たとえば交通事故による多発外傷)に対応します。救急車しか受け入れていないところもあります。


2次だからといって1次ができないわけではありません。
ただし3次は特殊で救急車対応しかしないところもありますし、1次2次も受け入れているところもあります。
つまり上への互換性はないが下への互換性はある、ということです。